造作家具と既成家具との違い
造作家具とは造作した家具を指し一般的な解釈ですと特注家具の事を言います。 お客様からの要望をお聞きし、まずはプラン図をお越して何度も修正を掛け完成品にします。 その上で製作用の詳細図面を起こし家具職人が一つずつ製作して作り上げます。(部分ごとの組み上げ) 出来上がった家具をチャーター便で輸送し取付職人が現地に合わせて家具を組み立て仕上げて行きます。 上記の通り全てにおいて人的作業が必要となりコストもそれなりに掛かる仕組みです。
それに引き替え「既成家具」は決められたプランを基に製作図面も存在しますが1枚の図面で 何千〜何万と言う数を機械で量産ができます。(ほとんどが機械での加工となり人的作業が非常に少ないです) また基本、各パーツごとのパッケージとなり小さな梱包で出荷される為チャーター便ではなく 一般的な路線便(宅配業者)での配送が可能となり輸送コストも大幅に削減ができます。 既成家具は取付が不要ですので職人も必要としませんので費用もかなり抑えられます。
上記だけでも費用面では造作家具が高価になる仕組みはご理解頂けたと思います。
半既成家具の「セミ」オーダー家具って何?
良く耳にする「セミオーダー家具」とは既成家具と造作家具の良い所取りしたような家具を指します。 食器棚ですと造作家具の場合は完全オーダーメイドによるものですので各部の構成やサイズ(幅×高さ×奥行)を ミリ単位で自由に選択ができイメージ通りの家具が製作できます。 反面、セミオーダー家具の場合はシステムキッチンのように既に決められたキャビネットの組み合わせによる 構成となります。(パズルのような感じです) ある程度の自由度はありますが決められたものしか組み合わせができないので満足しない場合もあります。 しかし決められたキャビネットは大量生産されたものですので価格は造作家具の約半分以下で購入ができます。 扉や仕上げ面材も同等で金物類も選択肢が狭いのが一般的です。 「こだわり」の少ないユーザーさんの場合はセミオーダー家具の方が安価で購入しやすいのが特徴です。
比較見積りの注意点とは
良くあるケースですが皆様がマンションオプション会で得たプラン図を基に他社さんに見積りを請求される事があります。 この際に当然、お店により価格は様々だと思いますが単純に安価な店での購入が最適ではありません。 それは数社の見積りでも、それぞれ店の特徴があり仕上がりや据付も含め大きな違いもあります。 例えば一番多いのが引き出しのレールやスライド丁番等の品質です。 食器棚の場合は特に使用頻度が高いので安価な金物ですと数年も経たない内に破損する事も多いですし 使い難いものも存在します。 これらは当然どの店もプロなので把握はしていますが安価な価格を提示して購入して欲しい気持ちから 安易に貧祖な金物を使用するケースが少なくありません。 また据付工事にも言える事がありますが、いいかげんな採寸で新米な職人達で据付けた家具は仕上がりも良くありません。 工事を理解している人がキッチリ採寸を行わないと取付当日にトラブルも多く綺麗に仕上がりません。 造作家具の場合にはキャビネットの組み上げだけではなく埋木や支輪の加工の方が大変なんです。
予算が厳しい
予算が厳しい場合には気軽に相談できるショップを選びましょう。 造作家具の場合には自由度が高い為に高額な構成になりがちです。 多少の金額でしたら構成内容を大きく変更しなくても各部のサイズ修正で価格が下がるケースも多くあります。 メールでも良いですし電話や直接の会話でこちらの予算と希望をキッチリ伝え相談する事が大切です。 お客様の要望が100%伝わらないとショップのスタッフが理解できず残念な結果を招いてしまいます。 隠さず相談する事が大切なんです。 安易に見積り価格だけで判断し予算内で済まそうとして激安店で購入すると購入後にトラブルや残念な結果になる懸念も少なくありません。
キッチン合わせの扉で製作できるの?
新築分譲マンションの場合は戸建住宅とは違い扉の面材は一般的な化粧面材を選択しており物件オリジナルと言うケースは ほとんどありません。 オプション会では購入して欲しいので物件オリジナルなので他店は製作ができませんと「嘘」を付く事があります。 でもオプション会に参加している業者さんも一般的な家具屋さんなので他店と同様に製作ができます。 そんな嘘に騙される前に他店で一度相談される事をお勧めします。
他店で製作ができるか調べる方法をお伝えします。
- 売主経由で扉面材の「メーカー名」と「品番」を聞く
- その詳細を家具店へ伝えます。
- 取っ手金物やカウンター材を合わせる場合には同様に売主に聞きます。
- 天然石の場合には小さなカットサンプルも請求しましょう。(確実性を高める為)
たったこれだけの事で他店で製作ができるかが判明します。 オプション会のように高額なのに貧祖な家具を注文するよりも良い家具で安価な他店で購入するようにしましょう。
他店の業者選びって?
インターネット検索で「造作家具」と言うキーワードで調べると沢山の業者さんがヒットします。 そのお店のホームページを幾つか閲覧してフィーリングの合いそうなショップで見積りを依頼してみましょう。 その際に基準となるのが「法人」である事、「運営期間の長い会社」、「建設業許可のある会社」、「施工例写真の多い会社」、 などである程度絞り込めるのではないでしょうか。 最初はメールのやりとりをして気になるのであれば直接ショップへ伺ってみましょう。 直接お話しする事で理解感が深まる事は間違いありません。 あと幾つか見積りを取る事は良いのですが最初の見積り価格は概算や価格優先の仕様の事が多いので 数回のメールで内容を詳細に確認した上で業者の選定を行いましょう。 特に造作家具は小さな事で価格が大きく変動する事が少なくありません。